日本銀行の発表によると、家計が持つ金融資産は2026年6月末に合計2,519兆円となりました。前年の同じ時期より11.0%増えています。ただし、「一人ひとりの貯蓄が11%増えた」という意味ではありません。何が増えたのか、数字の中身を見てみましょう。

この記事の要点

  • 金融資産の合計は2,519兆円。2025年6月末の2,269兆円から増えました。
  • 現金・預金はほぼ横ばい。一方、株式や投資信託(多くの人のお金をまとめて運用する商品)の残高は大きく伸びました。
  • 全国の合計なので、自分の貯蓄額や投資の利益とは分けて考える必要があります。

2,519兆円は何の合計?

資金循環統計は、家計や企業が持つお金や金融商品の残高をまとめた日銀の統計です。今回の2,519兆円は、2026年6月末時点の全国の家計の合計。公表された9月17日に、資産が一斉に増えたわけではありません。統計上の「家計」には個人事業主も含まれ、企業年金の受給権なども数えられます。

預金はほぼ横ばい。株式と投資信託は?

日銀の参考図表(図表3-1)を見ると、現金・預金は1,132兆円で前年同月末比0.5%増でした。株式等は486兆円で47.0%増、投資信託は193兆円で36.8%増です。全体に占める割合は、それぞれ44.9%、19.3%、7.7%でした。

家計の金融資産 2026年6月末の残高 前年同月末比
全体 2,519兆円 +11.0%
現金・預金 1,132兆円 +0.5%
株式等 486兆円 +47.0%
投資信託 193兆円 +36.8%
日銀「2026年第2四半期の資金循環(速報)」図表3-1を基にZEIbit JOURNALが作成。残高は兆円単位の概数。

株式や投資信託の残高は、買い増しだけでなく、株価などが動いても変わります。日銀の図表も、売買などの「取引」と、価格変動などによる増減を分けています。残高の伸びを、そのまま「NISAで新たに投資した金額」や「売って得た利益」と考えることはできません。

自分の貯蓄額と比べてもいい?

この数字は全国の合計で、「平均的な家庭の貯蓄額」ではありません。住宅などの不動産は含まず、住宅ローンなどの借入金も差し引いていません。合計額を世帯数で割るだけでは、一般的な家計の姿は見えてこないのです。

自分のお金のことを考えるなら、まずは生活費として手元に置きたいお金と、長く運用するお金を分けて見ると理解しやすくなります。今回の統計だけで、特定の金融商品を買うべきだとは判断できません。

次は何を見ればいい?

次の発表では、株式や投資信託の残高が「買い増し」と「価格の変化」のどちらで動いたかを確認したいところです。日銀は今回、2025年4~6月期以降の年金受給権などを過去にさかのぼって改定しました。以前の数字と比べるときは、改定後の値を使います。今回の速報値も、今後変わる可能性があります。

出典:日本銀行「資金循環統計」2026年第2四半期・参考図表(いずれも2026年9月17日公表)。