「今のビットコインは高すぎ?それともお得?」——そんな疑問にヒントをくれるオンチェーン指標がMVRV Z-Scoreです。本記事では、図も交えて仕組みと活用法をやさしく解説します。
図 1を見ると、MVRV Z-Score の計算は「①市場価値(Market Cap)」から「②実現価値(Realized Cap)」を引いた差を求め、これを③市場価値の標準偏差で正規化して評価していることがわかります。「Neutral(中立)」レンジから針が右へ振れ (+7 付近) ば過熱気味、左へ振れ (-1 付近) ば割安気味を示唆します。
Market Value(市場価値)
「時価総額」のようなもので、現在のビットコイン価格 × 流通している全コイン数で計算される値です。Realized Value(実現価値)
一方でこちらは「Realized Cap(実現時価総額)」とも呼ばれ、各ビットコインが最後に動いた(移動された)ときの価格を使って計算される累積時価総額です。実現価値は「最後にコインが動いた価格」で再評価しているため、ネットワーク全体の平均買値を概算できます。Z-Score>1 という数値は「保有者の多くが含み益」という背景を示し、利確売りが増える転換点になりがちです。
2013・2017・2021年のブル相場では +7~+9 付近で天井を示唆、2015・2019・2022年の底では -1 前後が買い戻しタイミングの目安になりました(詳細は図 3で解説)。
テクニカル指標と違い、実際の資金移動に基づくため短期ノイズに左右されにくい点もメリットです。
図 2のフローチャートを追うと、
指標 | 意味 | ざっくり解釈 |
---|---|---|
MVRV Ratio >1 | 市場価値 > 実現価値 | 含み益が多い |
MVRV Ratio <1 | 市場価値 < 実現価値 | 含み損が多い |
Z-Score >7 | 歴史的に大幅割高 | 過熱ゾーン |
Z-Score <-1 | 歴史的に大幅割安 | 売られすぎ |
※ 実際の値はGlassnode・CryptoQuantなどのオンチェーン分析サイトが提供しています。
CoinGlass の実測チャート(図 3)を見ると、MVRV Z-Score がサイクル天井・底を示唆してきた流れが一目でわかります。
最新値は+2〜+3程度で推移し、極端な過熱でも割安でもない“中立域”。ここから再度 +6 を目指すのか、それとも調整に入るのか——マクロ環境やオンチェーンの資金移動を合わせて注視する段階と言えるでしょう。
Glassnode、CryptoQuant、LookIntoBitcoin などの分析サイトで無料チャートが公開されています。
大型アルトでは算出可能ですが、過去データが浅い銘柄は統計の信頼度が下がります。
MVRV Z-Scoreは「市場価格と平均取得コストの乖離」を標準化し、過熱ゾーン(+7)・割安ゾーン(-1)を視覚的に教えてくれるオンチェーン指標です。長期投資家が売買タイミングを考えるうえで強力なツールですが、万能ではないため必ず他の指標・ニュースと合わせて総合判断しましょう。
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本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断・税務申告はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。
以上
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