日本銀行が10月13日に公表した9月の「生活意識に関するアンケート調査」では、1年前より「暮らし向きにゆとりがなくなってきた」と答えた人が54.4%でした。前回6月調査の55.0%からは0.6ポイント下がりましたが、半数を超える状況が続いています。

現在の景況感と1年後の景況感は前回より小幅に改善しました。一方、物価が1年前より上がったと感じる人は95.5%に達しており、景気への見方が少し持ち直しても、家計の負担感はなお強いことがうかがえます。

この記事の要点

  • 暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」との回答は54.4%で、前回の55.0%からほぼ横ばいでした。
  • 物価が「かなり上がった」は68.9%、「少し上がった」は26.6%で、合わせて95.5%でした。
  • 景況感D.I.は現在がマイナス53.0、1年後がマイナス36.2で、どちらも前回より改善しました。ただし、マイナス圏が続いています。

家計のゆとりはほぼ変わらず

日銀の公表資料によると、暮らし向きD.I.はマイナス49.9でした。D.I.は「ゆとりが出てきた」の割合から「ゆとりがなくなってきた」の割合を引いた数字で、マイナスが大きいほど厳しい回答が多いことを示します。

主な項目 2026年6月調査 2026年9月調査 変化
現在の景況感D.I. −56.7 −53.0 3.7ポイント改善
1年後の景況感D.I. −42.5 −36.2 6.3ポイント改善
暮らし向きD.I. −50.2 −49.9 0.3ポイント改善
ゆとりがなくなってきた 55.0% 54.4% 0.6ポイント低下
物価が上がったと感じる人 95.3% 95.5% 0.2ポイント上昇
1年後に物価が上がるとみる人 90.4% 88.6% 1.8ポイント低下

出典:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」(第106回・第107回)。「物価が上がった」は「かなり上がった」と「少し上がった」、「1年後に物価が上がる」は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計。変化はZEIbit JOURNALが計算。

景況感の改善と生活実感は分けて見る

現在の景況感D.I.は前回から3.7ポイント、1年後の景況感D.I.は6.3ポイント改善しました。ただし、どちらもマイナスです。「景気が良くなったと感じる人が多数になった」という意味ではありません。

また、物価が上がったという回答は、消費者物価指数そのものではなく回答者の実感です。実際の物価の動きは、東京都区部の9月物価の記事のような公的統計と合わせて見る必要があります。

今回の調査は2026年8月3日から9月4日まで、全国の20歳以上4,000人を対象に行われ、有効回答は1,972人、回答率は49.3%でした。日銀自身も、企業を対象とする短観のような統計調査とは異なり、生活者の意識や行動を大まかに把握する世論調査だと説明しています。

家計で確認したいこと

物価上昇の実感が強いときは、支出全体を一律に削るより、食料品、日用品、光熱費など負担が増えた項目を家計簿や明細で分けて確認すると、対策を立てやすくなります。

金利については、今回のアンケート結果だけで今後の政策変更が決まるわけではありません。日銀の政策方針と預金・住宅ローンへの見方は、植田総裁の追加利上げ方針の記事も参考になります。

今後の確認ポイント

次回調査では、景況感の改善が続くかだけでなく、暮らし向きD.I.や物価上昇の実感がどの程度変わるかが焦点です。今回の結果は9月4日までの回答を集計したもので、その後の物価や政策の変化は反映していません。

出典