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ステーブルコインの税金は「為替差損益」に注意!交換・利確の課税タイミングと確定申告の方法を解説

作者: 2025.07.01
4 か月前
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※本記事は作成時点の法令・情報に基づいています。最新情報は国税庁Webサイト等でご確認ください。一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な税務判断については税理士等の専門家にご相談ください。

最近よく聞くUSDTみたいなステーブルコインって、価格がドルに連動していて安定しているから、ビットコインみたいに値動きが激しいものと比べて、税金の計算も簡単なんですよね?

🤔
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それは非常によくある誤解ですね。実は、日本の現行税法上、ステーブルコインの税務は非常に複雑で、「価格が安定していること」と「税金の計算が簡単であること」は全く別問題なんです。特に米ドルなどに連動するステーブルコインは、「為替変動」という隠れた要素が絡むため、知らないうちに納税額が膨らんでしまう可能性があり、細心の注意が必要です。

■ ステーブルコインの基本と税務上の落とし穴

ステーブルコインは、その価値を米ドルなどの法定通貨や金といった特定の資産に連動(ペッグ)させることで、価格の安定を目指す暗号資産です。この安定性から、決済手段や、価格変動の激しい暗号資産市場の一時的な避難先として広く利用されています。

しかし、この「安定性」という言葉が、税務上の大きな誤解を生む原因となっています。日本の税法では、資産の価格が安定しているかどうかは課税の判断に影響しません。重要なのは、資産を「譲渡」したかどうかです。つまり、ステーブルコインを売却したり、他の暗号資産と交換したり、商品購入に使ったりするたびに、損益計算と納税の義務が発生する可能性があるのです。

表1: 主なステーブルコインの種類とリスク
種類 裏付け資産 代表例 主なリスク
法定通貨担保型 法定通貨(米ドル、日本円など)、国債 USDT, USDC, JPYC 発行体の信用リスク、準備金の管理不備
暗号資産担保型 他の暗号資産(ETHなど) DAI 担保資産の価格暴落リスク、スマートコントラクトの脆弱性
アルゴリズム型 なし(アルゴリズムによる供給量調整) (旧)UST, FRAX 設計上の欠陥によるディペッグリスク、取り付け騒ぎ

■ 日本の暗号資産税制と2023年法改正の影響

ステーブルコインの税金を理解するには、まず暗号資産全体の税制ルールを知る必要があります。日本の制度は、他の金融商品と比べて投資家にとって厳しい内容となっているのが特徴です。

  • 所得区分は「雑所得」: 個人が暗号資産取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類され、給与所得など他の所得と合算して税額を計算する「総合課税」の対象です。
  • 税率は「累進課税」で最大55%: 所得が多くなるほど税率が高くなる「累進課税」が適用され、所得税(最大45%)と住民税(一律10%)を合わせると、最大税率は約55%に達します。
  • 損失の救済措置なし: 暗号資産取引で発生した損失は、給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できず、損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」も認められていません。

また、2023年6月に施行された改正資金決済法により、日本国内で発行・流通するステーブルコインは「電子決済手段」として法的に位置づけられました。これにより、国内業者が発行する、より規制に準拠したステーブルコインの登場が期待されています。しかし、現時点では、これらの国内発行ステーブルコインの税務上の扱いが、USDTのような海外発行のものと明確に区別されているわけではありません。したがって、引き続きすべてのステーブルコインを「暗号資産」として損益計算の対象と考える必要があります。

■ 【重要】ステーブルコインで利益が確定する瞬間(課税イベント)

いつ、どのような取引で税金がかかるのか(=損益が確定するのか)を正確に把握することが最も重要です。以下の取引は、保有するステーブルコインを実質的に「譲渡」したと見なされ、課税対象となります。

  • 日本円での売却: 最も分かりやすい例です。売却価格と取得価額の差額が損益となります。
  • 他の暗号資産との交換: USDTでビットコインを買うなど、日本円を介さない取引でも課税対象です。「保有するステーブルコインを時価で売却し、そのお金で別の暗号資産を買った」と解釈されます。
  • 商品・サービス・NFTの購入: ステーブルコインでの決済も、交換と同様に「時価で売却した」と見なされ、損益計算が必要です。
  • 報酬の獲得(ステーキング等): ステーキングやレンディングで報酬を得た場合、報酬を受け取った時点の時価が、まず所得として課税対象になります。

一方で、日本円でステーブルコインを購入するだけ、保有し続けるだけ、あるいは自身が管理するウォレット間で送金するだけの場合は、所有権の移転がないため課税対象にはなりません。

なるほど…。他の仮想通貨との交換でも課税されるとは驚きです。ということは、1USDTがほぼ1ドルだとしても、私がUSDTを買った時と、それを使ってビットコインを買った時で、ドル円のレートが変わっていたら、そこでも税金がかかるということですか?

🤔
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その通りです!そこがステーブルコイン税務における最難関ポイント、「為替差損益」です。USDT自体の価値は1ドルで安定していても、日本円から見た価値は為替レートによって常に変動しています。この為替の動きによる利益(または損失)も、しっかりと計算して申告する必要があるのです。

■ 税務の核心:為替差損益の計算ステップ解説

米ドル連動型ステーブルコインが絡む取引では、主に為替レートの変動による損益を計算する必要があります。具体的な例で見ていきましょう。(手数料は無視します)

ステップ1:USDTを使ってETHを購入した時の損益(取引2)

この時点で、ETHの購入に使った1,000 USDTを「売却」したと見なされ、為替差益が確定します。

  • 計算式: (交換時のレート – 取得時のレート) × 数量
  • 所得: (150円 – 140円) × 1,000 USDT = 10,000円

同時に、購入した0.5 ETHの日本円での取得価額が「1,000 USDT × 150円 = 150,000円」として記録されます。

ステップ2:残りのUSDTを日本円に売却した時の損益(取引3)

残りのUSDTを円に換えた時点で、再び為替差益が確定します。

  • 計算式: (売却時のレート – 取得時のレート) × 数量
  • 所得: (155円 – 140円) × 1,000 USDT = 15,000円

この一連の取引だけで、合計 10,000円 + 15,000円 = 25,000円 の所得が発生したことになります。

■ 円高局面でのリスクシナリオ

これまでは円安で利益が出る例でしたが、逆に円高が進んだ場合はどうなるでしょうか。例えば、1ドル=150円の時に1,000 USDTを購入し(取得価額150,000円)、後に1ドル=135円の時にその1,000 USDTでBTCを購入したとします。

この時点で、USDTのドル価値は変わらなくても、円ベースでは (135円 – 150円) × 1,000 USDT = -15,000円為替差損が発生します。このように、BTC自体の価格がどうであれ、USDTを他の資産に交換しただけで損失が確定することもあるのです。この損失は、同年内の他の暗号資産の利益と相殺することができます。

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■ よくある質問(Q&A)

USDTやUSDCではなく、JPYCのような日本円に連動するステーブルコインなら、為替の問題はなくなりますか?

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その通りです。JPYCのように常に「1 JPYC ≒ 1円」で価値が保たれる日本円連動ステーブルコインの場合、円ベースでの価値が変動しないため、為替差損益は発生しません。計算が大幅に簡略化されるのは大きなメリットです。ただし、それを他の暗号資産と交換したり、ステーキングで報酬を得たりした場合は、通常通り損益計算が必要になるのでご注意ください。

給与所得者なんですが、ステーブルコインの利益が年間20万円以下だったら、申告しなくていいんですよね?

🤔
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その「20万円ルール」には注意が必要です。確かに、特定の条件を満たす給与所得者で、暗号資産を含む給与以外の所得が20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要になります。しかし、住民税の申告義務は残ります。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、たとえ利益が1円でも申告が必要です。「非課税」ではない点を覚えておいてください。

💡 ステーブルコイン税務の要点まとめ
日本の投資家が押さえておくべき重要なポイントは以下の通りです。
  • 全ての取引が課税対象となりうる: 「価格が安定している」は関係ありません。ステーブルコインの売却、他の暗号資産との交換、決済利用は、全て損益計算が必要です。
  • 利益は最大55%の総合課税: 利益は「雑所得」として給与などと合算され、累進課税が適用されます。損失の繰越控除もできません。
  • 為替差損益の罠に注意: USDTなど米ドル連動コインは、円ドル為替レートの変動による損益も課税対象です。円高局面では損失が出ることもあります。
  • 円連動コインは為替リスクを回避できる: JPYCなど日本円ペッグのコインは為替差損益を考慮する必要がなく、計算が比較的容易になります。
  • 徹底した記録管理が不可欠: 全ての取引日時、数量、時価を記録することが重要です。複雑な場合は専門の計算ツールや税理士の活用を検討しましょう。
村上 裕一氏

この記事の監修者

村上 裕一(公認会計士・税理士)

公認会計士試験合格後、大手監査法人、メーカー経理財務、会計事務所を経て独立開業。仮想通貨・NFT・ブロックチェーンゲームを専門とする税理士として活躍。自らもSTEPNなどのブロックチェーンゲームなどをプレイし、多くの投資家の税務を支援している。

※本記事はAI(人工知能)を活用して自動生成された内容を含んでいます。記載内容の正確性や最新性には配慮しておりますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、情報は作成時点のものであり、最新情報および重要な判断の際は、公式情報や専門家の確認もあわせてご参照ください。

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