【2025年最新】SolanaのJupiterとは？DeFiの始め方からJUPトークンの将来性まで徹底解説

Jupiterの成功を理解するには、まずその土台であるSolanaブロックチェーンの圧倒的な性能を知る必要があります。ブロックチェーンには「分散化」「セキュリティ」「スケーラビリティ」を同時に実現するのが難しいという「トリレンマ」の課題がありますが、Solanaはこの中でも特にスケーラビリティ（処理能力）の解決に重点を置いて設計されました。

その核となるのが、以下の2つの革新的な技術です。

• Proof of History (PoH): これは、取引データを処理する前に、全ての取引に「時間のハンコ」を押して時系列に並べてしまうような仕組みです。これにより、取引の順序確認にかかる時間が劇的に短縮され、超高速な処理が実現します。Solanaのブロック生成時間はわずか400ミリ秒で、取引手数料も平均約$0.00025と激安です。
• Sealevel: イーサリアムなどが取引を1つずつ順番に処理するのに対し、Solanaの「Sealevel」は、互いに関係のない取引を同時に並列処理することができます。これにより、ネットワークが混雑しにくく、常にスムーズな取引が可能になります。

Jupiterの中核機能は、たくさんの分散型取引所（DEX）の中からユーザーにとって最も有利なレートを瞬時に見つけ出す「アグリゲーター」です。この機能は、Solanaの「超高速・激安・並列処理」という3つの特徴があって初めて、実用的なものになるのです。手数料が高い他のブロックチェーンでは、Jupiterのような複雑な最適ルートを探しても、手数料でメリットが消えてしまいますからね。

Jupiterは2021年10月にDEXアグリゲーターとしてスタートしましたが、今では取引に関するあらゆるニーズに応える「フルスタックエコシステム」へと進化しました。その多機能ぶりを見ていきましょう。

Jupiterエコシステムの中心には、ネイティブトークンであるJUPが存在します。JUPトークンは単なる投票券ではなく、その価値を高めるための様々な仕組みが導入されています。

「Jupuary」：Solana史上最大級のエアドロップ

Jupiterは「Jupuary」と呼ばれる大規模なエアドロップ（無料配布）を毎年実施し、コミュニティにトークンを還元しています。2024年1月には、初期ユーザー約100万ウォレットに10億JUPが配布され、Solanaエコシステム全体を大きく活性化させました。

価値向上のための戦略転換：バイバックの導入

当初、JUPトークンの価値はガバナンスへの参加権が中心でした。しかし、コミュニティからの要望を受け、Jupiterは大きな戦略転換を発表します。それは、プロトコルが生み出す手数料収入の50%を、市場からJUPトークンを買い戻す（バイバック）ために使用するというものです。

• バイバックの効果: 市場に流通するJUPの供給量を継続的に減らし、トークンに持続的な買い圧力を生み出します。
• 収益源: この原資となるのは、特にパーペチュアル取引から得られる年間1億ドルを超える莫大な手数料収入です。

この戦略変更により、JUPは単なるガバナンストークンから、Jupiterという経済圏の成功を直接的に享受できる「株」のような性質を帯びるようになり、投資家にとっての魅力が大きく向上しました。

JupiterのLFGローンチパッドは、Solana上の有望な新規プロジェクトをコミュニティ主導で市場に送り出すためのプラットフォームです。この仕組みが、エコシステムを自己強化させる「フライホイール」として機能します。

【Jupiterのフライホイール戦略】

1. 有望な新規プロジェクトが、最も注目されるLFGローンチパッドでのローンチを目指す。
2. ローンチにはJUP保有者によるDAO投票での承認が必要。プロジェクトはJUP保有者にアピールしなければなりません。
3. JUP保有者は、投票に参加することで手数料報酬やエアドロップが期待できるため、積極的にJUPをステーキング（保有）する。→ JUPへの需要が高まる！
4. 無事ローンチされたトークンは、Solanaの主要取引所であるJupiterで活発に取引され、Jupiterに手数料収入をもたらす。
5. この成功が、さらに質の高いプロジェクトをLFGローンチパッドに惹きつけ、サイクルが加速していく。

実際に、BitcoinとSolanaを繋ぐ「Zeus Network」や、リキッドステーキングの流動性を統合する「Sanctum」といった質の高いプロジェクトがこのプラットフォームから巣立っており、Jupiterが単なるツールではなく、エコシステムの育成者となっていることを証明しています。

Jupiterを使ってみたい方向けに、最も一般的なウォレット「Phantom」を使った始め方と、避けては通れない税金の話を解説します。

ステップ・バイ・ステップ：PhantomウォレットでJupiterデビュー

• ステップ1：Phantomウォレットの準備
  公式サイト（phantom.app）からブラウザ拡張機能またはスマホアプリをインストールします。作成時に表示される「シークレットリカバリーフレーズ」は、誰にも教えず、オフラインで厳重に保管してください。これが無くなると資産を失います。
• ステップ2：SOLの入金
  国内の暗号資産取引所などでSOLを購入し、作成したPhantomウォレットのアドレスに送金します。これが取引手数料（ガス代）になります。
• ステップ3：Jupiterに接続
  Phantom内のブラウザで「jup.ag」にアクセスし、ウォレットを接続します。
• ステップ4：トークンをスワップ
  支払うトークン（例：SOL）と受け取るトークン（例：JUP）を選び、数量を入力。「Swap」ボタンを押し、ウォレットで取引を承認すれば完了です。

DeFi取引と日本の税金

日本在住者が暗号資産取引で得た利益は、原則として「雑所得」として課税対象になります。特にDeFiでは、以下のタイミングで利益（または損失）が確定するので注意が必要です。

• 暗号資産同士を交換（スワップ）した時： JupiterでSOLをJUPに交換した場合、その時点でSOLを一度売却したと見なされ、SOLの購入時からの値上がり益が課税対象となります。
• ステーキングやエアドロップで報酬を得た時： JUPのステーキング報酬やエアドロップでトークンを受け取った場合、受け取った時点の時価が所得として認識されます。
• 暗号資産を日本円に換金した時： 売却価格と取得価格の差額が課税対象となります。

給与所得者の方でも、これら暗号資産による所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。