※本記事は作成時点の法令・情報に基づいています。最新情報は国税庁Webサイト等でご確認ください。一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な税務判断については税理士等の専門家にご相談ください。
損益通算ができない最大の理由は、暗号資産の利益が分類される「所得区分」にあります。日本の所得税法では、所得を10種類に分けて計算するルールになっており、それぞれ異なる方法で税額が計算されます。
そして、法律上、「雑所得」で生じた損失は、他の所得区分の利益(給与所得、譲渡所得など)と相殺(損益通算)することができないと定められています。これが、暗号資産の損失を株の利益で埋め合わせることができない根本的な理由です。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2250 損益通算他の所得とは通算できませんが、同じ「雑所得」というグループの中であれば、利益と損失を相殺することが可能です。これを「内部通算」と呼びます。
所得の内容 | 利益 / 損失 | 通算後の所得 |
---|---|---|
暗号資産A(例: BTC)の利益 | +100万円 | +20万円 (100万円 – 80万円) |
暗号資産B(例: ETH)の損失 | -80万円 | |
副業(アフィリエイト)の利益 | +30万円 | -10万円 (30万円 – 40万円) ※ただし最終的な所得は0円 |
副業(原稿料)の経費倒れ | -40万円 | |
最終的な雑所得の合計額 | +10万円 (+20万円 – 10万円) |
このように、異なる暗号資産同士の損益や、他の副業(ネットオークションの売上、講演料など)の損益とは合算できます。ただし、同じ雑所得でも、申告分離課税が適用されるFX(外国為替証拠金取引)の利益などとは通算できないため注意が必要です。
また、非常に重要な点として、雑所得内で通算してもなお残った損失は、その年限りで切り捨てられ、翌年に繰り越すこと(繰越控除)はできません。
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ZEIbit.AIはGMOインターネットグループが提供する暗号資産のAI損益計算サービスです。安心・かんたん・使いやすいサービスで、毎年の申告をスムーズに。
公式サイトで詳しく見るもし暗号資産取引が「事業」として認められれば、「事業所得」として申告でき、他の所得との損益通算や、損失の3年間の繰越控除が可能になります。しかし、個人投資家が事業所得として認められるためのハードルは非常に高いのが実情です。
投資家の間では、暗号資産の税制を株式などと同じ「申告分離課税(税率一律20.315%)」へ変更してほしいという声が年々高まっています。しかし、最新の状況はどうなっているのでしょうか。
2023年末に決定された「令和6年度税制改正大綱」では、法人が期末に保有する暗号資産の一部について時価評価課税の対象外とする変更がありましたが、個人の税制(総合課税)に関する変更は見送られました。
金融庁や経済産業省、そして業界団体である日本暗号資産取引業協会(JVCEA)などは、毎年夏に翌年度の税制改正要望を提出しています。2024年8月末に提出される「令和7年度税制改正要望」でも、引き続き個人の申告分離課税化が盛り込まれることが確実視されています。しかし、これが実際に法改正として実現するかは、依然として不透明な状況です。投資家としては、税制改正のニュースを注視しつつも、現行のルールを正しく理解し、その中で対策を講じることが最も重要です。
参考情報: JVCEA「2024年度(令和6年度)税制改正に関する要望書」村上 裕一(公認会計士・税理士)
公認会計士試験合格後、大手監査法人、メーカー経理財務、会計事務所を経て独立開業。仮想通貨・NFT・ブロックチェーンゲームを専門とする税理士として活躍。自らもSTEPNなどのブロックチェーンゲームなどをプレイし、多くの投資家の税務を支援している。
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