暗号資産のステーキング報酬は、日本円に換金していなくても、報酬の暗号資産を取得した時点の時価を確認します。さらに、その報酬を後で売却・交換したときは、受取時からの値動きによる損益を別に計算します。まず「報酬を取得したとき」と「手放したとき」の2つを分けて記録しましょう。
ステーキング報酬の基本ルール
国税庁の暗号資産等の税務FAQ(1-7)は、ステーキング等によって暗号資産を取得した場合、取得時点の時価を総収入金額に算入し、取得に要した費用を必要経費に算入すると説明しています。単に預けた元本の価格が上がったことと、新しい報酬を取得したことは分けて考えます。
数量と取得時の時価を記録
後の売却・交換に備える
売却額との差を別に計算
受取時と売却時を分ける計算例
4月に10枚の報酬トークンを受け取り、その時価が1枚500円なら、取得時の収入は5,000円です。後にその10枚を1枚800円で売れば、売却価額8,000円と取得価額5,000円との差額3,000円を別に計算します。以下の例は手数料などを省略しています。
| 時点 | 数量・時価 | 計算する金額 |
|---|---|---|
| 報酬を取得 | 10枚 × 500円 | 取得時の収入5,000円 |
| 後日売却 | 10枚 × 800円 | 売却価額8,000円 − 取得価額5,000円=差額3,000円 |
報酬を何度も受け取る場合は、各回の数量、日時、時価、費用を記録します。「月末にまとめて1回だけ計算すればよい」と決めつけず、サービスが示す付与・請求・引き出しの履歴を照合してください。取得時点が分かりにくい仕組みでは、利用規約と記録を保存して個別に確認します。
リキッドステーキング・DeFiは仕組みを確認する
ETHを預けて別のトークンを受け取る、保有数量が増える、交換レートが変わるなど、リキッドステーキングの仕組みはサービスごとに異なります。預け入れ、トークンの受取、報酬の付与、償還を、すべて同じ税務処理と考えないでください。国税庁の一般的なステーキングFAQだけでは、個々のプロトコルの全操作を判定できません。
ウォレット履歴だけでなく、トランザクションID、取引前後の資産・数量、権利の内容、利用規約、時価の根拠を保存します。資産の交換があるか、報酬をいつ取得したかが判然としない場合は、暗号資産に詳しい税理士へ取引資料を示して確認しましょう。ETHを使う他の取引はイーサリアムの税金計算ガイドでも整理しています。
確定申告が必要かどうかの確認
ステーキング報酬を取得しただけで、すべての人に所得税の確定申告が必要になるわけではありません。報酬の収入から必要経費を差し引き、他の暗号資産取引なども含めた年間の所得を整理します。所得区分は取引の実態によって判断します。
会社員で給与を1か所から受け、給与収入が2,000万円以下で年末調整などの条件を満たす場合、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要です。ただし医療費控除等のために申告する場合は、その所得も申告に含めます。住民税の申告は別に確認してください。国税庁の条件を参照しましょう。
申告前に残す記録
- 預け入れた元本の数量と取得履歴
- 各報酬の取得日時、数量、取得時の円換算額
- 報酬を売却・交換・再投資した履歴と手数料
- 取引所・ウォレットの明細、価格資料、サービスの利用規約
自動再投資の設定がある場合も、取得した報酬と再投資に使った資産を区別して追跡します。計算ツールを使うときは、取り込み漏れや自己ウォレット間移動の誤判定を確認してください。ZEIbit.AIのサービス案内も参照できます。
よくある質問
報酬が値上がりして売れたら二重に課税されますか?
受取時の時価と、後の売却時までの値動きによる差額を分けて計算します。例の5,000円を、後の売却時にもう一度利益として加算するわけではありません。
海外サービスの報酬なら申告しなくてよいですか?
日本の居住者は原則として国外で得た所得も課税対象です。取引所の所在地だけで申告要否を判断せず、居住地と所得の状況を確認してください。



