※本記事は作成時点の法令・情報に基づいています。最新情報は国税庁Webサイト等でご確認ください。一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な税務判断については税理士等の専門家にご相談ください。
税金の話に入る前に、まず「ドージコイン(DOGE)」がどのような暗号資産なのかを簡単におさらいしましょう。ドージコインは、2013年にソフトウェアエンジニアのビリー・マーカスとジャクソン・パーマーによって、もともとはジョークとして開発されました。
その名の通り、当時インターネットで大流行していた「ドージ(Doge)」という柴犬のミームがモチーフになっています。ビットコインなどの暗号資産ブームを面白おかしく風刺する目的で生まれた「ミームコイン」の元祖ともいえる存在です。
しかし、単なるジョークでは終わりませんでした。ビットコインよりも高速な決済スピードや、活発なコミュニティ活動、そしてテスラのCEOであるイーロン・マスク氏などの著名人による言及がきっかけで知名度が飛躍的に向上。今では世界中の取引所で扱われる、主要な暗号資産の一つとして認識されています。
このように、遊び心から始まったドージコインが、今では大きな経済的価値を持つに至り、その利益に対する税金の知識が不可欠となっているのです。
ドージコインなどの暗号資産取引で得た利益は、日本の税法上、株式投資などとは大きく異なる扱いを受けます。この違いを理解することが、適切な納税と資産管理の第一歩です。
個人がドージコインの取引で得た利益は、原則として「雑所得」に分類されます。 雑所得の最大の特徴は「総合課税」の対象となる点です。 総合課税とは、あなたの給与所得や事業所得など、他の所得と暗号資産の利益をすべて合算し、その合計金額に対して税率が決まる方式です。
日本の所得税は、所得が多いほど税率が高くなる「累進課税」を採用しています。 そのため、ドージコインで大きな利益が出ると、給与所得と合算された総所得額が跳ね上がり、より高い税率区分が適用されてしまうのです。所得税(5%~45%)に住民税(約10%)などを合わせると、最大で約55%もの税金がかかる可能性があります。
課税される所得金額 | 所得税率 | 控除額 | 住民税を含めた合計税率(概算) |
---|---|---|---|
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 | 約15% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 | 約20% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 | 約30% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 | 約33% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 | 約43% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 | 約50% |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 | 約55% |
一方、株式やFXの利益は「申告分離課税」の対象です。 これは、他の所得とは合算せず、利益に対して一律約20.315%の税率が適用される制度です。 さらに、株式やFXでは損失を翌年以降に繰り越して将来の利益と相殺できる「繰越控除」が認められていますが、現在の暗号資産税制では認められていません。
この違いは、株式やFXが「金融商品取引法」で保護・規制された「金融商品」であるのに対し、暗号資産はもともと「資金決済法」で「支払手段」として位置づけられてきた歴史的経緯が原因です。 この法的な定義の違いが、税制上の大きな差を生んでいるのです。
「日本円に換金しなければ税金はかからない」と思っていませんか?それは大きな誤解です。税金が発生する(=利益が確定する)タイミングは、意外なほどたくさんあります。
以下の行為を行った時点で、含み益が実現し、課税対象となる所得が発生します。
これらの根底にあるのが「みなし売却」という考え方です。投資家が暗号資産を日本円以外の「価値ある何か」と交換する行為は、すべて「一度日本円に換金した」と見なされ、その都度、損益を計算する必要があるのです。
一方で、以下の行為は課税対象とはなりません。
課税対象となる行為 ✅ | 課税対象とならない行為 ❌ |
---|---|
暗号資産を日本円で売却する | 暗号資産を購入する |
暗号資産Aで暗号資産Bを購入する(交換) | 暗号資産を保有し続ける(含み益) |
暗号資産で商品やサービスを購入する | 自分のウォレットや取引所口座間で送金する |
ステーキングやレンディングで報酬を得る | |
マイニングで報酬を得る | |
エアドロップ等で得たコインを売却する |
課税タイミングを理解したら、次は具体的に所得(利益)を計算する方法を学びましょう。計算式はシンプルですが、「取得原価」の計算が少し複雑です。
所得の基本計算式は「所得金額 = 総収入金額(売却価額) – 必要経費(取得原価など)」です。
ドージコインを異なるタイミング・価格で複数回購入した場合、売却したコインの原価を計算する方法として、国税庁は「移動平均法」と「総平均法」の2つを認めています。 一度選択した方法は継続して使用する必要があり、届出がない場合は自動的に「総平均法」が適用されます。
計算式: (年間の購入金額の合計) ÷ (年間の購入数量の合計)
計算式: (前回までの評価額 + 今回の購入金額) ÷ (前回までの数量 + 今回の購入数量)
どちらの計算方法を選ぶかは、ご自身の所得状況や取引スタイルを考慮したタックスプランニングの一環となります。 例えば、他の所得が少ない年に利益を多く計上したい場合と、そうでない場合で有利な方法が変わることがあります。
複雑な損益計算、AIでかんたんに。
移動平均法や総平均法での計算は、取引が増えるほど複雑になります。ZEIbit.AIはGMOインターネットグループが提供する暗号資産のAI損益計算サービス。取引所のデータをアップロードするだけで、面倒な計算を自動化。安心・かんたん・使いやすいサービスで、毎年の申告をスムーズにしましょう。
公式サイトで詳しく見る所得を計算する際、売上から差し引ける「必要経費」。漏れなく計上することで、納税額を適正に抑えることができます。経費として認められるのは「その収入を得るために直接要した費用」です。 領収書やレシートは必ず保管しておきましょう。
利益の計算ができたら、いよいよ確定申告です。ここでは会社員の方を念頭に、申告が必要なケースと、オンラインで完結するe-Taxでの申告手順を解説します。
会社員(給与所得者)の場合、「給与以外の所得(ドージコインの利益など)の合計が年間20万円以下なら確定申告は不要」というルールがあります。 しかし、これには大きな罠があります。
それは、所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別途必要だという点です。 住民税には20万円ルールのような非課税枠はなく、利益が出た場合は金額にかかわらず申告義務があります。 この手続きを忘れると、後から延滞金を含めた請求が届く可能性があります。
このような申告漏れを防ぐ最も安全で簡単な方法は、利益が20万円以下であっても所得税の確定申告を行うことです。 確定申告をすれば、税務署から自治体に情報が連携されるため、別途住民税の申告をする必要がなくなります。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、自宅から申告が可能です。 必要なものは、①全取引所の取引履歴、②経費の領収書、③源泉徴収票、④マイナンバーカードです。
申告期間は原則翌年2月16日から3月15日まで、納税期限も3月15日です。 期限に遅れないよう、早めに準備を始めましょう。
「暗号資産の取引は匿名だからバレない」というのは、最も危険な誤解です。 税務当局は、私たちが考える以上に投資家の取引情報を把握しています。
日本の暗号資産交換業者は、顧客の年間取引報告書(支払調書)を税務署に提出する義務があります。 さらに、国税庁はブロックチェーンの分析技術や、海外当局との情報交換(租税条約)などを駆使して監視網を構築しています。 無申告や過少申告が発覚した場合、本来の税金に加えて、以下のような重いペナルティが課されます。
軽い気持ちの申告漏れが、将来的に数百万円もの追徴課税につながるケースも少なくありません。 誠実な申告が最大のリスク回避策です。
現行の厳しい税制ですが、投資家にとっては明るい未来も見えています。現在、政府・与党内で、暗号資産の税制を株式やFXと同じレベルにするための議論が本格化しています。
最終目標は、現在の「総合課税(最大約55%)」から「申告分離課税(一律約20%)」への移行です。 この改正は、2026年の国会での法案成立を目指すロードマップが描かれており、実現すれば日本の暗号資産市場にとって大きなパラダイムシフトとなります。
項目 | 現行制度(2025年時点) | 将来の提案制度(2026年改正後) |
---|---|---|
課税方式 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率 | 累進課税(最大約55%) | 一律 約20.315% |
損益通算 | 不可(他の所得区分と) | 可能(株式・FX等と) |
損失の繰越控除 | 不可 | 可能(3年間) |
この改正が実現すれば、高い税率を心配することなく利益確定ができるようになり、損失が出ても翌年以降の利益と相殺できるため、より柔軟な投資戦略が可能になります。 投資家は、今後の税制改正のニュースに注目していくことが重要です。
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※本記事はAI(人工知能)を活用して自動生成された内容を含んでいます。記載内容の正確性や最新性には配慮しておりますが、必ずしも完全性を保証するものではありません。また、情報は作成時点のものであり、最新情報および重要な判断の際は、公式情報や専門家の確認もあわせてご参照ください。
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