ウォレットや取引所から暗号資産が不正に流出したら、まず被害の拡大を止め、取引の証拠を残します。税金の申告では、どのような方法で資産が流出したか、何のために保有していたか、補償を受けたかを整理することが大切です。被害直後の行動と、申告前に確認したい点を順番に説明します。
被害に気付いた直後にすること
- アクセスを止める:取引所のアカウントが侵害された疑いがあれば、公式窓口に連絡し、ログイン・出金の停止を相談します。安全な端末からパスワードと二要素認証を見直します。
- 残高と取引を記録する:アカウント画面、残高、取引履歴、ウォレットアドレス、TXID、不審なログイン通知、問い合わせ内容と日時を保存します。
- 相談・届出を行う:取引所、警察のサイバー犯罪相談窓口などに事実関係を伝えます。秘密鍵やシードフレーズを第三者に渡さないでください。
- 保管方法を見直す:不正な承認や接続がないか、信頼できる手順で確認します。残存資産の移動は誤送金の危険もあるため、状況を確認して慎重に行います。
警察への相談方法は警察庁のサイバー犯罪相談窓口を参照してください。税金の申告について相談するときには、届出の記録に加え、流出の経緯と保有・取引履歴も用意します。
後から確認できるように残したい資料
| 資料 | 確認できること |
|---|---|
| 取引所の履歴・残高証明 | 保有数量、購入・売却履歴、出金の事実 |
| ウォレットアドレス・TXID | 送金先、日時、数量、チェーン上の動き |
| ログイン・メール・画面記録 | 不正アクセスの経緯、本人による操作との区別 |
| 取引所・警察との連絡記録 | 届出日、補償や返還の有無、調査の経過 |
証拠は原本を残し、日時が分かる形で保管します。詐欺サイトへの自発的な送金、不正ログインによる無断送金など、経緯の違いが税務判断に影響し得ます。
雑損控除は「原因」と「資産」の両方を確認する
国税庁「雑損控除」によると、対象となるのは、一定の要件を満たす資産が災害・盗難・横領で損害を受けた場合です。詐欺や恐喝による損失は対象外です。また、棚卸資産・事業用固定資産等や「生活に通常必要でない資産」に該当しないことなど、資産側にも条件があります。
暗号資産の流出がどの原因に当たり、その暗号資産が対象資産に該当するかは、個別事情を踏まえて確認します。控除額の計算も、保険金などによる補てんや所得の状況によって変わります。保有目的、購入履歴、流出時の記録、補償・返還の有無をそろえ、税務署または税理士に相談しましょう。
流出の原因別に確認するポイント
| 被害の状況 | 税務上、先に確認する点 |
|---|---|
| 第三者が無断で資産を移転 | 不正アクセス・送金操作の事実、盗難に該当するか、対象資産の要件 |
| 偽サイトや勧誘で自ら送金 | 詐欺に該当するか。国税庁は詐欺による損失を雑損控除の対象外と説明 |
| 取引所から補償や返還を受けた | 補償の形態・金額・時期、元の損失との関係 |
判断が難しいときは、本人が送金を操作したか、第三者が無断で操作したかを含めて経緯を整理しましょう。国税庁「詐欺による損失」も確認できます。
申告前に相談するときの伝え方
- いつ、どの口座・ウォレットで、何が起きたか
- 本人が操作した送金か、第三者による無断操作か
- その暗号資産をどのような目的で保有していたか
- 購入履歴・評価額・他の取引との関係
- 返還、保険金、取引所による補償の有無
取引履歴を整理することは、被害状況と他の暗号資産取引の損益を切り分ける助けになります。ZEIbit.AIのサービス案内もご覧ください。


