暗号資産で利益が出たとき、家族の扶養に影響するかは二つの制度で確認します。一つは親や配偶者の税金に関わる税法上の扶養・配偶者控除、もう一つは健康保険などの被扶養者認定です。確認する金額と相談先を分けると、自分に必要な手続きが見えてきます。
税金と社会保険、二つの扶養を区別する
| 制度 | 主な判定の視点 | 確認先 |
|---|---|---|
| 税法上の扶養・配偶者控除 | 対象年、本人・扶養する人の所得、年齢や続柄 | 国税庁、税務署、税理士 |
| 健康保険などの被扶養者 | 加入先の収入認定、年齢、今後の収入見込み、生計維持関係 | 勤務先、健康保険組合、協会けんぽ等 |
税法上の判定では、暗号資産の売却代金から取得価額や必要経費を差し引いた所得を確認します。健康保険などでの収入の扱いは、加入先に確認してください。
税法上の扶養要件は対象年で変わる
扶養親族の合計所得金額の要件は、令和6年分まで48万円以下、令和7年分58万円以下、令和8年分は62万円以下です。令和8年分の改正は原則として2026年12月1日に施行され、令和8年分の所得税に適用されます。申告する年を決めてから、該当する年の基準を表で確認しましょう。
| 所得税の対象年 | 扶養親族の合計所得金額の要件 | 補足 |
|---|---|---|
| 令和6年分まで | 48万円以下 | 過去の申告を確認するときの基準 |
| 令和7年分 | 58万円以下 | 令和7年度税制改正後 |
| 令和8年分 | 62万円以下 | 2026年12月1日施行の改正を反映 |
配偶者控除と配偶者特別控除には、配偶者の所得だけでなく控除を受ける本人の所得要件もあります。配偶者については国税庁「配偶者控除」、子などの扶養親族については国税庁「扶養控除」を対象年に合わせて確認してください。
19~22歳の学生には特定親族特別控除もある
19歳以上23歳未満の親族については、扶養控除の所得要件を超えた後も、一定範囲なら親などが特定親族特別控除を受けられる場合があります。令和8年分は親族の合計所得金額が62万円超123万円以下の範囲に制度が設けられ、控除額は所得額に応じて変わります。詳しくは国税庁「特定親族特別控除」を参照してください。
給与と暗号資産の利益が両方あるときの計算例
令和8年分に給与収入100万円、暗号資産の所得40万円がある場合を考えます。給与所得控除の最低保障額74万円を適用できる前提なら、給与所得は26万円(100万円−74万円)、合計所得金額は66万円(26万円+40万円)です。給与と暗号資産の所得をそれぞれ計算してから合計します。この例では、扶養控除の62万円という所得要件に加え、年齢などの条件を満たす場合の特定親族特別控除を確認します。
この例は税法上の所得計算の説明です。社会保険上の被扶養者認定や世帯の手取り額を示すものではありません。給与所得控除については国税庁「給与所得控除」を参照してください。
社会保険の「130万円」には年齢などの例外がある
健康保険の被扶養者認定では、一般に年間収入130万円未満という基準が使われます。ただし、60歳以上や一定の障害者は別基準で、19歳以上23歳未満で配偶者以外の人は、2025年10月1日以降の認定で150万円未満という取扱いに変わっています。さらに、生計維持関係などの条件も確認します。2026年4月以降は労働契約内容から見込まれる年間賃金を用いる取扱いも示されていますが、他の収入が見込まれる場合などは個別の確認が必要です。
暗号資産の利益が一時的に生じたときは、加入先にその収入の扱いと被扶養者の認定時期を確認してください。年齢や就労状況によって適用される基準も変わります。日本年金機構「家族を被扶養者にするとき」。
申告・扶養確認のチェックリスト
- どの年分の所得税を確認するかを決める。
- 給与所得と暗号資産の所得をそれぞれ計算する。
- 配偶者・子などの続柄と、年末時点の年齢を確認する。
- 所得税の扶養控除・配偶者控除・特定親族特別控除を個別に確認する。
- 社会保険の加入先へ、暗号資産取引を含む収入認定を確認する。
複数の取引所を使っている場合は、暗号資産の所得の計算に漏れがないか確認しましょう。ZEIbit.AIのサービス案内もご覧ください。


