暗号資産の利益にかかる税金を変える議論が進んでいます。2025年12月の令和8年度税制改正の大綱には、条件を満たす暗号資産取引について、所得税15%・住民税5%で計算する方針が盛り込まれました。投資家にとって重要なのは、どの取引が対象になり、いつから適用されるかです。これまでの経緯と申告時の確認点を整理します。

要望から法改正までの流れ

時期公表・成立したこと税率の適用との関係
2025年8月金融庁が令和8年度税制改正を要望要望の段階であり、新税率は適用されない
2025年12月令和8年度税制改正の大綱を公表対象と施行条件を含む方針を提示
2026年7月金融商品取引法・資金決済法の改正法が成立法成立と分離課税の適用開始は同じ日ではない
今後の適用開始対象制度の施行と税法上の適用関係を確認大綱は、金融商品取引法改正法の施行年の翌年1月1日以後を条件とする

金融庁は、金融商品取引法及び資金決済法の改正法が2026年7月15日に成立したと公表しています。2026年8月12日に施行された一部の規定は、無登録業への罰則強化等に関するものです。分離課税の適用開始は、対象となる規定の施行日と税法上の条件を確認します。

20%の対象は「特定暗号資産」の一定の取引

財務省の大綱は、金融商品取引業者登録簿に登録される暗号資産等を「特定暗号資産」とし、暗号資産取引業を行う者に対する一定の譲渡等を分離課税の対象として記載しています。対象になるかは銘柄だけでなく、取引の相手方や方法なども確認する必要があります。

海外取引所での売却、個人間取引、DeFiでの交換などについては、実際に適用される法令と対象要件を確認します。取引履歴には、日時・銘柄・取引方法・利用した事業者が分かる情報を残しておきましょう。

いつから適用される?

大綱では、対象となる譲渡等について、金融商品取引法の改正法の施行の日が属する年の翌年1月1日以後に適用する方針が記載されています。申告時には、取引日が適用開始日以後か、取引が対象に含まれるかを確認します。対象となる規定の施行日と最終的な税法上の条件は、財務省・金融庁・国税庁の最新資料で確認してください。

適用開始前の取引はどう申告する?

国税庁は、暗号資産の売却・使用による利益は、他の所得に付随して生じる場合などを除き、原則として雑所得に区分すると説明しています。申告する年と取引日を特定し、その年に適用される制度で損益を計算します。

大綱には、対象となる特定暗号資産の損失について、一定条件の下で3年間の繰越控除を設ける方針もあります。利用を考えるときは、対象取引と適用開始の条件を確認します。

よくある質問

2026年の利益を一律20%で申告できますか?

2026年の取引日と適用開始日の関係、対象となる暗号資産・取引の条件を確認します。申告する年の国税庁の案内に沿って計算してください。

国内取引所の取引ならすべて対象ですか?

大綱には対象となる暗号資産と取引の条件が示されています。利用した事業者、銘柄、取引の種類を確認してください。

税制改正を待って売却を遅らせるべきですか?

税制の適用条件が確定しないうちに、税率だけを理由に投資判断を変えるのは慎重に考えるべきです。価格変動や資金需要も含めて判断し、必要に応じて税理士に相談してください。

参考資料

制度が変わっても、取引履歴を保存して年ごとの損益を正しく把握することは欠かせません。ZEIbit.AIのサービス案内もご覧ください。